医療事務の用語一覧178語
医療事務の用語を、分野ごとに並べています。用語名から解説ページに進めます。
医療保険のしくみ
医療保険の全体
- 国民皆保険
すべての国民が、何らかの公的な医療保険に入っているしくみ。日本では1961年に実現した。
- 保険者と被保険者
保険者は、保険料を集めて医療費を払う運営者(健康保険組合・市町村など)。被保険者は、保険に入っていて給付を受ける人。
- 被扶養者
被保険者に養われている家族で、その被保険者の健康保険で医療を受けられる人。自分では保険料を払わない。
- 被用者保険
会社員や公務員など、雇われて働く人とその家族が入る医療保険。健康保険・共済組合・船員保険がある。
- 協会けんぽ
全国健康保険協会が運営する健康保険。主に中小企業で働く人が入る。
- 組合管掌健康保険
大企業などが作った健康保険組合が運営する健康保険。組合健保ともいう。
- 共済組合
国家公務員・地方公務員・私立学校の教職員などが入る医療保険。
- 国民健康保険
自営業の人や、会社などの医療保険に入っていない人が入る医療保険。市町村(都道府県と共同)や国民健康保険組合が運営する。
- 後期高齢者医療制度
75歳以上の人(一定の障害がある65歳以上の人を含む)が入る医療保険。都道府県ごとの広域連合が運営する。
- 保険者番号
どの保険者の保険かを表す番号。レセプトに書き、請求先を分けるのに使う。
- 記号・番号
保険証やマイナ保険証の情報で、被保険者一人ひとりを表す番号。
給付と負担
- 療養の給付
病気やけがのときに、診察・薬・処置・手術・入院などの医療そのものを受けられる給付(現物給付)。
- 現物給付と現金給付
医療そのものを受けられるのが現物給付(療養の給付など)。お金を受け取るのが現金給付(傷病手当金・出産育児一時金など)。
- 一部負担金
医療機関の窓口で患者が払う医療費の一部。残りは保険者が医療機関に払う。
- 自己負担の割合
窓口で払う割合。原則3割。義務教育が始まる前は2割、70〜74歳は2割(現役並みの所得の人は3割)、75歳以上は1割(所得によって2割・3割)。2026年10月時点の決まり。
- 高額療養費制度
1か月の医療費の自己負担が上限の額を超えたとき、超えた分があとで払い戻される(または窓口で上限までの支払いになる)しくみ。上限は年齢と所得で決まる。
- 限度額適用認定証
入院などで医療費が高くなるとき、窓口での支払いを高額療養費の上限までにするための証明書。マイナ保険証を使えば、なくても上限までの支払いになる。
- 入院時食事療養費
入院中の食事にかかる費用のうち、保険から出る分。患者は決まった額(標準負担額)を払う。
- 保険外併用療養費
保険がきかない医療と、保険の医療を一緒に受けることが特別に認められた場合に、保険の部分に出る給付。評価療養・選定療養・患者申出療養がある。
- 混合診療
保険の医療と保険外の医療を一緒に行うこと。原則として認められておらず、行うと全部が自費になる(保険外併用療養費の場合を除く)。
- 選定療養
患者が自分で選んで受ける特別なサービス。差額ベッド(個室など)や、紹介状なしでの大きな病院の受診など。その分は自費になる。
- 評価療養
先進医療など、将来保険の対象にするかを評価している医療。保険外併用療養費の対象。
保険証と資格確認
公費負担医療と介護保険
公費負担医療
- 公費負担医療
国や地方公共団体が、法律などにもとづいて医療費の全部または一部を負担するしくみ。医療保険と組み合わせて使うことが多い。
- 法別番号
公費負担医療の制度の種類を表す番号。公費負担者番号の最初の2けた。
- 公費負担者番号と受給者番号
公費負担者番号は公費の負担者(制度と地域)を表す番号、受給者番号は公費を受ける人を表す番号。レセプトに書く。
- 医療扶助
生活保護を受けている人の医療費を、生活保護から出すしくみ。原則として医療保険は使わない。
- 指定難病の医療費助成
国が指定した難病の患者の医療費の自己負担を軽くする助成。
- 自立支援医療
精神の病気の通院・身体障害を軽くする医療などで、自己負担を軽くする公費負担医療。
- 子ども医療費助成
子どもの医療費の自己負担を、市町村などが助成するしくみ。対象の年齢や内容は地域によって違う。
- 労災保険
仕事中や通勤中の病気・けがを補償する保険。この場合は健康保険を使わず、労災保険で医療を受ける。
- 自賠責保険
交通事故の被害者を救うために、自動車の持ち主に入ることが義務づけられている保険。交通事故のけがの治療費に使われることがある。
介護保険
- 介護保険
介護が必要になったときに、介護サービスを1〜3割の負担で受けられる保険。市町村が運営する。
- 第1号被保険者と第2号被保険者
介護保険の被保険者。第1号は65歳以上の人、第2号は40〜64歳で医療保険に入っている人(特定の病気で介護が必要になったときに使える)。
- 要介護認定
介護保険のサービスを使うために、どのくらい介護が必要かを市町村が判断すること。要支援1・2と要介護1〜5がある。
- ケアマネジャー
介護支援専門員。介護が必要な人の状態に合わせて、介護サービスの計画(ケアプラン)を作る専門職。
- 医療保険と介護保険の給付調整
同じサービスが医療保険と介護保険の両方にあるとき、どちらを使うかの決まり。要介護認定を受けた人は、介護保険が優先されるものがある。
診療報酬のしくみ
診療報酬の基本
- 診療報酬
保険の医療を行った医療機関が受け取る報酬。国が決めた点数表にもとづいて計算する。
- 診療報酬点数表
医療の行為ごとに点数を決めた表。1点は10円で計算する。医科・歯科・調剤の点数表がある。
- 診療報酬改定
診療報酬の点数や決まりの見直し。原則として2年に1度行われる。
- 出来高払い
行った検査・投薬・処置などの医療行為を1つずつ点数にして、足し合わせて請求するしくみ。
- 包括払い
病気の種類などに応じて、1日あたりや1回あたりの金額をまとめて決めて請求するしくみ。
- DPC/PDPS
入院患者の病名と治療の内容で分類し、1日あたりの定額の点数で請求する、急性期の病院の包括払いのしくみ。
- 基本診療料と特掲診療料
基本診療料は、初診料・再診料・入院料など、診察や入院の基本の料金。特掲診療料は、検査・投薬・処置・手術など、行った医療ごとの料金。
- 薬価基準
保険で使える薬と、その値段(薬価)を国が決めた一覧。改定で見直される。
- 特定保険医療材料
カテーテルや人工関節など、保険で値段が決められている医療材料。
- 療養担当規則
保険医療機関と保険医が、保険の医療を行うときに守る決まり。正式には「保険医療機関及び保険医療養担当規則」。
基本診療料
- 初診料
その病気で、はじめて医療機関で診察を受けたときの料金。
- 再診料と外来診療料
同じ病気で2回目以降に診察を受けたときの料金。診療所と小さな病院は再診料、大きな病院(一定の病床数以上)は外来診療料になる。
- 時間外加算・休日加算・深夜加算
医療機関が決めた診療時間の外、休日、深夜に診察したときに、初診料・再診料に足す点数。
- 外来管理加算
再診のときに、処置やリハビリなどを行わずに、医師が丁寧に診察・説明をしたときに足す点数。
- 入院基本料
入院したときの、基本の看護や病室などの料金。病棟の種類や看護師の人数などで点数が決まる。
- 入院基本料等加算
医療機関の体制や患者の状態に応じて、入院基本料に足す点数。
特掲診療料
- 医学管理等
医師が、病気の管理や指導を行ったときの点数(特定疾患療養管理料など)。
- 在宅医療
医師が患者の家に行って診察する往診や、定期的に行う訪問診療などの点数。
- 投薬
薬を出したときの点数。調剤料・処方料・薬剤料・処方箋料などからなる。
- 注射
注射をしたときの点数。注射の方法(皮下・筋肉・静脈・点滴など)ごとの注射料と、薬剤料からなる。
- 処置
傷の手当て・ギプス・吸引など、医療行為としての処置の点数。
- 手術と麻酔
手術の点数と、手術のときの麻酔の点数。使った薬や材料の分も足す。
- 検査
血液検査などの検体検査と、心電図などの生体検査の点数。判断料や採血料なども加わる。
- 画像診断
エックス線・CT・MRI などの撮影の点数と、その画像を見て診断する点数。
- リハビリテーション
体の機能の回復のための訓練の点数。病気の種類(脳血管・運動器・心大血管など)と時間で決まる。
- 院内処方と院外処方
院内処方は医療機関の中で薬を渡す方法。院外処方は処方箋を出し、患者が外の薬局で薬を受け取る方法。院外処方のときは処方箋料を算定する。
- 調剤報酬
保険薬局が、処方箋にもとづいて薬を調剤したときに受け取る報酬。
レセプトと窓口
レセプト
- レセプト
診療報酬明細書。医療機関が、患者ごと・1か月ごとに行った医療とその点数をまとめ、保険者に請求するための書類。
- 審査支払機関
医療機関から届いたレセプトの内容を審査し、保険者から集めたお金を医療機関に支払う機関。社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会がある。
- 社会保険診療報酬支払基金
主に被用者保険(健康保険など)のレセプトを審査し、支払う機関。支払基金ともいう。
- 国民健康保険団体連合会
主に国民健康保険と後期高齢者医療制度のレセプトを審査し、支払う機関。国保連ともいう。
- レセプトの提出期限
1か月分のレセプトを、次の月の10日までに審査支払機関に提出する。
- オンライン請求
レセプトを、紙ではなくインターネットの回線を通して審査支払機関に送る方法。
- 返戻
レセプトに不備があって、審査支払機関や保険者から医療機関に戻されること。直して出し直す。
- 査定
レセプトの審査で、請求した点数の一部が認められずに減らされること。減点ともいう。
- 再審査請求
査定や返戻の結果に納得できないときに、医療機関がもう一度審査してほしいと申し出ること。
- 月遅れ請求
前の月より前の診療分のレセプトを、あとから請求すること。
- 症状詳記
高い薬や特別な治療を行ったとき、その必要性を医師が説明してレセプトに付ける文書。
- レセプト点検
提出前に、病名と治療内容が合っているか、算定もれや誤りがないかを確かめる作業。
カルテと病名
- 診療録
カルテ。医師が患者の診療の内容を記録したもの。医師法で、5年間保存することが決められている。
- 電子カルテ
診療録をコンピュータで記録・保存するしくみ。
- 主病
患者がいくつかの病気を持っているときの、中心となる病気。
- 転帰
病気の治療の結果。治ゆ・死亡・中止(転医)などをレセプトに書く。
- 診療実日数
その月に、実際に診察などを受けた日数。レセプトに書く。
- 病名もれ
行った検査や治療に合う病名が、レセプトに書かれていないこと。査定や返戻の原因になる。
窓口の仕事
医学の基礎
体のしくみ
- 循環器
血液を体中に送るはたらきをする器官。心臓と血管。
- 呼吸器
空気を取り入れて、酸素と二酸化炭素を交換する器官。鼻・気管・気管支・肺など。
- 消化器
食べ物を消化・吸収する器官。食道・胃・小腸・大腸・肝臓・胆のう・すい臓など。
- 泌尿器
尿を作って体の外に出す器官。腎臓・尿管・膀胱・尿道。
- 内分泌
ホルモンを血液中に出して、体のはたらきを調整するしくみ。甲状腺・すい臓(インスリン)・副腎など。
- 神経系
体の動きや感覚を伝えたり、体のはたらきを調整したりするしくみ。脳・脊髄(中枢神経)と、体中に広がる末しょう神経。
- 運動器
体を支えて動かす器官。骨・関節・筋肉など。
- バイタルサイン
生きていることを示す基本の情報。体温・脈拍・血圧・呼吸など。
病気の基本
- 急性と慢性
急性は、急に起こって経過が短い病気。慢性は、ゆっくり進んで長く続く病気。
- 主訴
患者がいちばん困っていて、受診のきっかけになった症状。
- 既往歴
患者がこれまでにかかった病気や、受けた手術などの記録。
- 合併症
ある病気が原因で起こる、別の病気。または、手術や検査が原因で起こる病気。
- 悪性腫瘍
がん。まわりに広がったり、ほかの場所に移ったり(転移)する腫瘍。
主な病気
- 高血圧症
血圧が高い状態が続く病気。心臓病や脳卒中の原因になる。
- 糖尿病
血液中の糖(血糖)が高い状態が続く病気。インスリンのはたらきが足りないことで起こる。
- 脂質異常症
血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎたり少なすぎたりする病気。動脈硬化の原因になる。
- 狭心症と心筋梗塞
心臓に血液を送る冠動脈が細くなって胸が痛むのが狭心症、冠動脈がつまって心臓の筋肉が死んでしまうのが心筋梗塞。
- 脳梗塞と脳出血
脳の血管がつまるのが脳梗塞、脳の血管が破れて出血するのが脳出血。まとめて脳卒中という。
- 肺炎
細菌やウイルスなどが原因で、肺に炎症が起きる病気。
- 気管支喘息
空気の通り道(気管支)が狭くなり、せきや息苦しさの発作がくり返し起こる病気。
- 胃潰瘍
胃の内側の粘膜がただれて、えぐれる病気。
- 骨折
骨が折れたり、ひびが入ったりすること。
- 慢性腎臓病
腎臓のはたらきが、長い期間かけて少しずつ落ちていく病気。進むと透析が必要になることがある。
薬の基本
- 内服薬と外用薬
内服薬は飲む薬。外用薬は、はり薬・ぬり薬・目薬など、体の外から使う薬。
- 頓服
決まった時間ではなく、痛みや熱が出たときなど、必要なときだけ飲む薬。
- 後発医薬品
ジェネリック医薬品。特許が切れた先発医薬品と同じ有効成分で作られた、安い薬。
- 先発医薬品
新しく開発されて、はじめて発売された薬。
- 副作用
薬が、病気を治すための本来のはたらき以外に起こす、好ましくないはたらき。
検査の基本
カルテの略語
処方と注射の略語
- Rp
処方。カルテや処方の記録で、ここから処方の内容が書かれることを表す。
- do
前回と同じ(同上)。前と同じ処方を出すときなどに書く。
- Tab
錠剤。
- Cap
カプセル剤。
- p.o.
経口(口から飲む)。内服のこと。
- i.v.
静脈注射。
- i.m.
筋肉注射。
- s.c.
皮下注射。
- DIV
点滴静脈注射(点滴)。
- IVH
中心静脈栄養。太い静脈から高い濃度の栄養を入れる方法。
- NPO
絶飲食(口から何もとらない)。検査や手術の前などに指示される。
- t.i.d.
1日3回。
- b.i.d.
1日2回。
- prn
必要なときに(頓用)。
検査と診察の略語
- BP
血圧。
- BT
体温。
- HR
心拍数。
- SpO2
経皮的動脈血酸素飽和度。指先などで測る、血液中の酸素の量の割合。
- WBC
白血球(数)。炎症や感染があると増えることが多い。
- RBC
赤血球(数)。酸素を運ぶ血液の成分。
- Hb
ヘモグロビン(血色素)。少ないと貧血。
- Plt
血小板(数)。出血を止めるはたらきをする血液の成分。
- CRP
C反応性たんぱく。体に炎症があると増える。
- HbA1c
ヘモグロビンエーワンシー。過去1〜2か月の血糖の状態がわかる検査値。糖尿病の診断や管理に使う。
- ECG
心電図。ドイツ語の略で EKG とも書く。
- CT
コンピュータ断層撮影。エックス線で体の輪切りの画像を撮る。
- MRI
磁気共鳴画像。強い磁石と電波で体の中の画像を撮る。エックス線は使わない。
- X-P
エックス線写真(レントゲン写真)。
- US
超音波検査(エコー)。
医療の現場の略語
法律と医療の仕事
医療機関
- 病院と診療所
医療法の決まり。入院のためのベッド(病床)が20床以上あるのが病院、19床以下(または病床なし)が診療所。
- 保険医療機関と保険医
保険の医療を行うことを国(地方厚生局)に認められた医療機関と、登録された医師。保険医療機関で、保険医が行った医療に保険がきく。
- 保険薬局と保険薬剤師
保険の調剤を行うことを認められた薬局と、登録された薬剤師。
- 特定機能病院
高度な医療を行い、その開発や研修もできると国に認められた病院。大学病院などが多い。
- 地域医療支援病院
かかりつけ医を支え、紹介された患者の治療や救急医療などを行うと認められた、地域の中心の病院。
- 病床の種類
医療法で決められた病院のベッドの種類。一般病床・療養病床・精神病床・感染症病床・結核病床がある。
法律の決まり
- 医療法
病院・診療所の開設や管理、医療の安全など、医療を受ける体制について決めた法律。
- 医師法
医師の資格や仕事について決めた法律。診療を求められたときの応召義務や、診療録の記載・5年間の保存などを定める。
- 応召義務
医師は、診療を求められたとき、正当な理由がなければ断ってはいけないという決まり(医師法)。
- 健康保険法
被用者保険(健康保険)の給付や保険料などについて決めた法律。
- 守秘義務
仕事で知った患者の秘密を、ほかの人にもらしてはいけない義務。医療事務の仕事をする人にもある。
- 要配慮個人情報
病歴など、差別や偏見につながらないよう、特に注意して扱う必要がある個人情報。取得には原則として本人の同意が要る。
医療の仕事
- チーム医療
医師・看護師・薬剤師・医療事務などの専門職が協力して、患者の治療やケアを行うこと。
- 薬剤師
薬の調剤や、薬の正しい使い方の説明などを行う国家資格の専門職。
- 臨床検査技師
血液や尿などの検査、心電図などの生理学的検査を行う国家資格の専門職。
- 診療放射線技師
エックス線・CT などの撮影や、放射線治療を行う国家資格の専門職。
- 理学療法士と作業療法士
リハビリテーションの専門職。理学療法士は立つ・歩くなどの基本の動作を、作業療法士は食事・着替えなど生活の動作を中心に訓練する。
- 医師事務作業補助者
医師の指示で、診断書などの書類の作成や電子カルテの入力を代わりに行い、医師の事務の負担を軽くする仕事。ドクターズクラーク。
- 診療情報管理士
カルテなどの診療情報を管理し、分析して活用する専門職(民間の資格)。